【大谷佳子コーチインタビュー】さまざまなスキルと共にクライアントに向き合う

大谷佳子さんは、ご自身の経験を元にして、部下育成研修などの「企業向けの集合研修」や、働く人の課題や悩みをサポートする「企業内リーダー向け1on1コーチング」などを行なっている人気のコーチのひとりです。

自分の軸をしっかり持ったお人柄に魅了された「大谷ファン」も数多く、個人・法人問わずたくさんの方から親しまれています。そんな大谷さんに、コーチになったきっかけや、コーチングの仕事についての話をお聞きしました。

大谷コーチのインタビュー

1:ビジネスパーソンの成長に関わりたくてコーチの道へ

2:メンタルヘルスの知識も生かしたコーチングでクライアントのお手伝いをしたい

3:仕事や収入があっても、何かが足りないと感じている方が多い

4:水のようにクライアントの内側を漂うようなコーチングを

5:今の仕事の質を高めながら、持っているものを全部出したい


1:ビジネスパーソンの成長に関わりたくてコーチの道へ

大谷さんがコーチになろうと思われたきっかけを教えてください。

企業で働いていたとき、50歳を目前にして、残りの人生は好きなことだけを仕事にしたいと思ったんです。

何がいいか考えたときに、やっぱり私はビジネスパーソンの成長に関わっていきたい、それが好きなんだと確信しました。

じゃ、どんな形で成長にかかわろうかと考えた時、自分がコーチングを受けたときにとても良いなと思ったのと、そのときのコーチが素晴らしい方だったのとで、コーチになろうと決めました。

コーチになるためにどのような勉強をされましたか?

まず、CTIに行きました。2008年に最初の応用コースまで進んだときに独立して、そのタイミングでプロコーチを名乗ったんです。
最初のうちは練習も兼ねて友人のコーチングをしながら、2009年頃には一般のクライアントも持っていました。

コーチングを職業にするのは大変だとも聞きますが、大谷さんは順調なスタートだったんですね。

コーチングだけで収入を維持するは難しいと思っていたので、研修講師との2本立てでスタートしました。
とはいえ、独立してすぐにどんどん依頼が来たわけではありません。

最初の2年は勉強の時期だと覚悟し、NLPなどをコーチングをしていくうえで必要な学びのために時間とお金を投資しました。
2年ほど経ったころから少しずつ安定していったという感じです。

ただ、自分は営業活動が不得意だとわかったので、Coaching Searchのようなサイトや、契約講師のような形でお願いしながらやっています。

2:メンタルヘルスの知識も生かしたコーチングでクライアントのお手伝いをしたい

コーチングは今も定期的に受けていらっしゃいますか?

今は、メンタルヘルスカウンセリングを勉強しているのでアプローチ方法の勉強を兼ねてカウンセリングを受けています。

メンタルヘルスカウンセリングはコーチングと重なる部分もありますが、もう少し心理学的なアプローチで、メンタルの負担を軽くしたり元気になれるように支援したりする関わりをします。
医療とは別の部分でのサポートですね。

メンタルカウンセリングを勉強しようと思った理由は何でしょうか?

クライアントのなかには、病院に行くほどではないけれども不調を感じている方や、病院で軽い鬱だと言われたという方もいらっしゃいます。

そういう方にも少しでもお役に立てれば嬉しいなと思い、そのために、メンタルヘルスに関しての知識を得ておきたいと思ったのが理由です。
クライアントの感情的な部分に対しても心理的知識も踏まえた上で、より理解できるようになって、コーチングに生かしたいという気持ちもありました。

何か調子が悪いなと思っても、メンタルクリニックに行くのってハードルが高いじゃないですか。
そんなときに、コーチングだったら怖くなさそうだなと思って来られた方のお手伝いをできればいいなと思っています。

大谷コーチ(研修登壇前の待合室にて)

3:仕事や収入があっても、何かが足りないと感じている方が多い

クライアントのテーマはどのようなものが多いですか?

忙しすぎて本当にやりたいことができない方や、収入を安定させるためにやりたいこととは違うキャリアを選択した方が多いですね。
「収入のために違う業界に入ったけれど、数年経って何か物足りなくなった」「収入はあっても何かが足りない」「立ち止まってじっくり自分のことを考えたい」という方が多いです。
約1年後のセッションのあとに、会社を辞めて、もともとやりたかった地元の小学校の先生になっていた方もいます。

不景気な世の中でも自分のことを優先する方が増えてきているのでしょうか。

今は不安定な世の中で、どんな企業でもこの先どうなるかわからないですよね。
だからこそ、安定した企業で働き続けたいという気持ちもあるでしょうが、それでは十分ではないということに気づかれたのかもしれません。

これまでに、印象的なクライアントがいらっしゃったら教えてください。

以前対面でトライアルセッションをやったときに、最初の30分間ずっと下を向いていらっしゃった方がいました。

内向的な性格で、面と向かって自分のしたいことを話すのが苦手な方でした。
いつ頃顔を上げてくれるかなと楽しみにしていたら、後半になってやっと顔上げ、ニコッと笑って「契約お願いします」と(笑)。 
本契約になってからも下を向くことはありましたが、きちんと自分に向き合って、話が出やすくなっていきましたね。

転職について考えていらっしゃいましたが、人付き合いがとても苦手そうでした。
だから、一対一のコーチングには相当覚悟を持ってこられたんだと思います。
その方は半年ほどコーチングを受けたあとご卒業して、転職もできたようです。

4:水のようにクライアントの内側を漂うようなコーチングを

大谷さんご自身は、自分のコーチングがほかのコーチと違うと自覚されていることはありますか?

比較はできませんが、心がけていることは全力を尽くすっていうことと、クライアントの内側を漂う水のような存在になるということでしょうか。

水って器に合わせてどんな形にもなりますよね。
そんな水のようになってクライアントの内側にお邪魔させていただき、「この辺暗いですが見ていますか?」とか「この辺光っているの、これは何ですか?」みたいに質問を投げかけられたらいいなと思っています。

5:今の仕事の質を高めながら、持っているものを全部出したい

今、何かハマっていることはありますか?

以前からずっとペン字をやっているんです。通信教育のペン字講座から始めて、もう5~6年になります。

多分、自分で自分をコントロールしたいんですよね。
まっすぐ書けるようになるには、姿勢を正して気持ちを落ち着かせ、ペンの持ち方も工夫しなければなりません。
自分の気分だけで適当に書いてしまわないように、美しい字を書けるように筆運びをコントロールしていきます。
練習していると、心を落ち着けて深く考えられる状態になれるんです。
自己コントロールできる自分でいたいというのが、ずっと続いている理由かもしれません。

ペン字は寝る前に練習しています。
食事してお風呂に入って、さあ寝るぞという前に書いて、目がしょぼしょぼしてきたら寝るんです(笑)。
自分で見てきれいだなと思える字に出合えるのは、1000字に1字くらいの割合なんですよ。
それが楽しみで書いているんじゃないかな、私。

今後の展望や目標を教えて下さい。

今から何か大きなことをやる予定はありません。
新しいことをやるというより、今の仕事の質を高めつつ、いずれ来るフェードアウトの時に備え、私が今持っているものを全部使って一つ一つ頑張っていこうと思います。

さまざまなスキルをストックしてクライアントに向き合うコーチ

コーチ・キャリアコンサルタント・米国NLP協会認定トレーナーアソシエイトなど、さまざまなスキルに加え、メンタルヘルスカウンセリングの資格も取得中の大谷さん。

常に探究心を忘れず、お会いするたびに進化しているそのエネルギッシュな姿に毎回驚かされます。

ご自身の経験に裏打ちされた豊富な知識もあり、さまざまな質問にも的確な答えを返してくれます。

今後もどのような進化を見せてくれるのか、とても楽しみなコーチです。

大谷佳子
コーチページ:https://coaching-search.jp/manage/co-otani/