これまでの「自分」の枠を越える体験を届ける【吉野優希コーチ インタビュー】
今回ご紹介する吉野優希コーチは、ビジネスとプライベートの両面で豊富な経験を積んできた、しなやかで頼もしいコーチ。と聞くと、気後れしてしまうかもしれませんが、吉野コーチとセッションで数分話せば、経験から来る頼もしさと等身大の共感で響き合う安心感に、心がほぐれていくのをきっと実感できるはず。ひとりひとりの悩みに対して、多角的な視点から本質を見抜き、解決の糸口を示してくれる存在です。具体的な行動のアドバイスだけではなく、前に進むための心の整理を同時にサポートしてくれる吉野コーチのセッションで、まだ知らなかった自分の可能性と出会ってみてください。

1:独立、子育て、コーチングとの出会い
まず、吉野コーチの得意なテーマや分野があれば教えてください。
組織の中でのマネジメントやリーダーシップ、キャリア構築に関する支援を得意としています。私自身が転職やスタートアップでのチームビルディング、そして起業の経験があるため、会社員としてのキャリア形成から、独立・起業へのステップアップまで幅広くサポートしています。
また、現在は子育て中でもあるため、仕事を人生のメインに据える考え方ではなく、プライベートとキャリアのバランスを大切にしながら、クライアントが成長できるようサポートするよう努めておりますし、そういった点を必要として頼ってくださるクライアント様が多いかなと感じています。
会社でのリーダーシップについて、どのような経験をされていたのか教えてください。
新卒で入った国内消費財メーカーで7年間営業とマーケティングを経験し、その後海外留学を経て、前職である外資系のハードウェアのメーカーにマーケティングの担当者として参画しました。当時はまだ小さい会社で、最初はメンバーとして部下もいない状態で働いていました。ただ、会社としての成長期でしたのでそこから一気に組織を拡大していくフェーズに入りました。その中でリーダーに選ばれ、自分で採用を行いながら組織を作っていきました。最終的には30人以上の部門を作る経験をしました。1からチームを作るにあたって、どんな人がフィットするのか、どんな能力が必要なのかを考えながら採用していきました。最終的には30~40人の規模になり、自分としては丁寧にチームを作り上げられたという手応えを感じた経験です。
その当時は体系的にコーチングを学んではいませんでしたが、学生時代からリーダーを務めることが多く、その経験を活かしてコミュニケーションの取り方やサポートの仕方については我流で意識していた部分がありました。コーチングを学んでから振り返ると、「これ、自分もやっていたな」と思うことが多かったですね。肌感覚でやっていたことが、後からコーチングの知識と紐づいて、効果に気づいた形です。

その後、コーチングを学んだきっかけについて教えてください。
きっかけは会社を辞める半年前に体験セッションを受けたことです。先ほどお話しした通り、その時まで、コーチングに興味はあったものの勉強はしていませんでした。体験セッションは40分ほどでしたが、その中で「自分が本当にやりたいこと」や「それに対しての課題」が明確になりました。それが私にとって非常に衝撃的な経験で、なんて素晴らしい時間なんだろうと思ったのです。そのセッションを通じて、会社を辞めて独立するという新たなチャレンジへの決心がつきました。
もともと、セルフコーチングのようなことはやっていたのですが、誰かに引き出されることで、より深く考えることができました。
セルフコーチングはどのようなことを行っていましたか。
たとえば、1社目を退職してカナダ・バンクーバーに海外留学に行ったときは自分の退路を断つために「半年後にこうなっていたい」といった目標をノートに書いて、自分で問いかけながら計画を立てていました。そのときはコーチングだとは意識していませんでしたが、振り返ってみると、かなりコーチングに近いことをやっていたと思います。
今でこそ外資系企業、海外留学、なんて言っていますが、留学の当初は読み書きはできても会話はまるっきり、中学1年生レベルといってもいいぐらいのスタートでした。日本でそれなりに英語を学んできたつもりだったのに「こんなに喋れないのか・・・」と愕然としたのを覚えています。現地で日本語を学びたいランゲージエクスチェンジの友人を見つけ、学校が終わった後もひたすら話して、学びました。1日数名とのアポイントを入れて、とにかく英語を話す時間を確保しました。今思えばあのときのバイタリティは我ながらなかなかのものだったのではないでしょうか。
そんな風に、自分自身である程度は整理・行動できていましたが、コーチとの対話でそれがさらに深まり、セルフコーチングの枠を大きく超えられることを実感しました。自分では気づけなかった部分に気づかされて、まるで雲が晴れていくような感覚でしたね。
その後、独立までの流れを教えてください。
会社を辞めた後、コーチングを本格的に学びながら独立しました。
そもそも独立しようと思ったのは、父が会社員ではなく割烹の店を経営する料理人で、私生活とビジネスがシームレスに繋がっている家庭で育ったからです。自分もいつかは起業したい、するんだろうなと漠然と思っていました。前職でちょうど目標としていた30~40人規模の組織作りを達成して、マーケティング機能を全てインハウス(内製)で回せる体制が整ったので、区切りとして良いタイミングでした。独立した後も、当時の会社の仕事をお手伝いしていますので、良い関係を続けられています。
独立後の事業内容を教えてください。
今はマーケティングのコンサルティングやアドバイザーがメインです。マーケティング課題を解決するために、戦略を立てたり、施策を実行したりして支援したりしています。経営者さんの壁打ちをさせていただいたり、社内のマーケターのように深く関わることもあり、企業ごとに異なるニーズに応じてサポートしています。
2025年の春で、独立してから1年半です。2024年の7月に出産し子育て中だったので、そのうち産後の半年を除いて実働期間は1年くらいでしょうか。産後6ヶ月はペースダウンして育児に集中していたので、戻れるか不安があったのですが、今は仕事の依頼も安定してきて、順調に復帰できてきています。
独立してからの苦労はありましたか。
もちろんありました。最初はお客様がゼロの状態だったので、どうやってクライアントを見つけるか、とても悩みました。収入の目処が立ってから会社を辞める選択肢もあったと思いますが、私はせっかちな性格なので「なんとかなるだろう」と思って始めました。しかし実際には、誰からも連絡が来ず、最初からどう営業していくかという課題にぶつかりました。
そこから法人を作り、準備を進めている間に、知り合いから仕事を紹介していただくなど、少しずついろいろなところから話が舞い込んできました。ほとんどが紹介や過去の実績を見ていただいての依頼だったので、過去の経験や積み上げてきた信頼が非常に役立ったと感じています。

2:多様な観点から変化を導く
マネジメントや海外現地企業での勤務経験・起業経験に加え、現在は母親としての一面も持っている。そういった多面的な経験が、女性にとっては特に憧れや参考になるのではないでしょうか。
ありがとうございます。実は私はかなり飽き性なところがあって、いろいろな顔を持ちながらバランスを取ってここまでやってきたところがあります。それを多面性・幅の広さとしてプラスに活かしていければ良いなと考えながらコーチング力を向上させているところです。
キャリアの相談がメインでも、育児や家庭のことなど、実際に経験している人からのアドバイスは必要な場面もあると思います。オンとオフは完全に切り離せるものでもありません。
コーチを複数つけて、ビジネスはこの人に、プライベートはこの人にと分けている方もいますが、私としてはどちらの面も、何でも安心して話せるコーチとして寄り添えればと考えています。
ご自身は、子育てをされて、何か変わったことはありますか。
性格や考え方が大きく変わったというよりは、今までの人格に「母親」というアイデンティティが加わった感覚です。バランスよく、いろいろな側面を積み重ねている感じですね。何より子供が本当に可愛いです。大変なことも多いですが、毎朝起きると隣にいるのがとても幸せで、それだけでも日々の活力になります。
コーチングを依頼されるクライアントの傾向を教えてください。
女性が6割、男性が4割ほどで、ご依頼が多いのは30~40代のマネージャー〜ディレクタークラスの方々です。会社で頑張るか、転職するか、独立するかといったキャリアの選択に加え、プライベートな悩みも含めて相談いただくことが多いです。私自身が会社を辞めた経験があるので、目線が近く、相談しやすいのかもしれません。同じような悩みを持って、実際にその経験をしてきた人に相談したいというニーズは大きいのかもしれません。
セッションは2〜3週間に1回が主流で、基本はオンラインで行っています
印象に残っているクライアントのエピソードはありますか。
ボリュームゾーンからは少し外れるのですが、ある経営者の方へのコーチングが印象的でした。自分の会社のミッションを明確にしたい、という相談でした。ご相談を受けた当初は、私よりも経験があるベテランの方だったので、コーチングの価値を実感していただけるか少し不安もありました。しかし、最終的には「経営者はみんなコーチをつけた方がいい」とまで言っていただき、非常に良い評価を頂戴しました。そのことが自信に繋がりました。
その方には3ヶ月ほどコーチングをさせていただきました。短期間で集中して言語化を進めていくような形の取り組みでした。
経営者向けのコーチングを提供している方はベテランの方が多く、やはりそういった方達の信頼感は段違いだと思います。だからと言って経験の差をマイナスに捉えるのではなく、私は私で、等身大の経験や視点で目の前のクライアントの気持ちや環境に寄り添えることが強みだと、今では思っています。
経営者の方にとっても、同じく独立している立場のコーチに話せるのは安心感があるのだと思います。そのほか、これまでのクライアントの変化や成功事例があれば教えてください。
印象的だったのは、転職したばかりで初めてマネージャーになった方へのコーチングです。以前の職場よりもチャレンジングな環境で、サポートが少なく悩んでいらっしゃいました。数回のセッションを通じて、マインドセットがレベルアップして、「誰も助けてくれない」という思考が「自分で動くんだ」という認識へと変化されました。その結果、悩んでいた部分がほとんど解消されて、とても喜んでいただけました。
コーチとしても、とても嬉しかったです。振り返ると、「こんなことで悩んでいたんだ」と思えるほど、人が変わったように感じます。

3:確かな「次の一歩」を見出すセッション
体験セッションでは、具体的にどのようなことをされていますか。
体験セッションは1時間です。まずはお互いに自己紹介をしてから、コーチングとは何かについて簡単に説明します。コーチングを受けたことがない方もいらっしゃるので、カウンセリングとの違いなども含めて、事前の理解を深めていただくための時間です。
その後、15分から20分ほどかけて、クライアントの方をより良くするために、私からさまざまな質問をします。過去のキャリアやハイライト、ローライト、人生で大切にしている価値観、学生時代の経験などもうかがいます。さらに、現在の人生全体の満足度についても、項目別にお聞きしています。その方を360度の視点で知るための時間です。
ヒアリングを終えた残りの時間は、クライアントが今一番気になっていることについてショートコーチングを行います。たとえば、「部下の育成で悩んでいる」といった具体的なテーマを取り上げて、短時間で解決の糸口を見つけます。この体験を通して、コーチングの効果を実感してもらうことを大切にしています。
とてもイメージがしやすいですね。コーチをつけることを迷っている方に対して、アドバイスはありますか。
まずは体験してみてほしいです。その1時間だけでも、気づくことはたくさんあります。体験したら契約しなければならないと思う方もいるかもしれませんが、契約前提ではなく、話すだけでも視界が開けることも多いので、気軽に来ていただければと思います。
過去の私もそうでしたが、体験だけ受けてそこからは一人で進み始める方もいますし、継続してサポートを希望される方もいます。まずは話してみることで、次のステップが見えてくると思います。
継続することで、どのような変化が期待できますか。
マインドセットの変化はもちろんですが、1回のセッションだけでは「今日のセッションは良かった」で終わりがちです。継続することで行動が変わり、習慣も変わっていきます。新しいことをするのは、人間誰しもストレスがかかります。今までよりも大きな一歩を踏み出すために、コーチを活用してもらいたいと思います。「これコーチに報告しよう!」と思っていただけたら、私としてもガッツポーズです。長期的に続けることで、考え方の癖や行動パターンに変化が現れ、結果として自分がバージョンアップしたような感覚を持てるようになると思います。そうして長く関わるパートナーとしてクライアントさまにポジティブなエネルギーを伝えられるよう、私自身も変化と成長を続けていたいと思っていますし、クライアントさまの報告から元気をいただくこともあります。
ご自身は、オフの時間はどのように過ごされていますか。
旅行することが一番好きです。国内外を問わず新しい場所に行くと、いろいろな気づきや刺激があって、好奇心が満たされます。退職後は昔からの夢だったヨーロッパ一人旅をしました。1ヶ月半で15カ国ほど周り、観光に加えて現地の美味しいお酒や食事を堪能しました。
その他、体を動かすことも好きです。ヨガやキックボクシング、産後はパーソナルトレーニングもしています。いろいろなことに挑戦するのが好きで好奇心旺盛なタイプです。映画、ドラマ鑑賞も大好きで、恋愛ドキュメンタリーなど人気のあるものは何でも見ます。読書も好きで、少し長い移動時間があれば大体本を読んでいます。本ではないですが、キングダムの大ファンです。
アクティブで多彩な経験がコーチングにも活かされているのがわかります。
ありがとうございます。いろいろなことをしている方が、自分にとっても楽しいですし、コーチングの幅も広がると感じています。冒頭お話ししたように「飽きっぽい」とも言える部分ではあるのですが、やりたいことがたくさんあるので、1つのことに集中するというよりも、いろいろな方向に広がっていく興味の中でバランスを取って行きたいと思っています。
子育てにおいては自分の意思とは関係なく新しい経験が増えていくので、それも楽しみながらの日々を過ごしています。
「仕事の悩み」だと思っていたものがプライベートと結びついているなど、人の悩みはいろいろな糸が互いに影響し合っているもの。ビジネスとプライベートの両面で自分らしく経験を積んでこられた吉野コーチを頼る方が多いのは、そういった多角的なアプローチで自分では気づけない側面を見出してくれるからなのだと、お話を通して強く感じました。体験の短い時間の中でも新しい気づきに出会える吉野コーチのセッションは、次の一歩を必ず照らしてくれる心強い灯台となること間違いありません。ぜひお気軽にご相談ください。
この記事のコーチは

吉野 優希コーチ
仕事や人生のモヤモヤを解消し、自信を持って行動に移すための後押しをさせていただきます。