できない自分像を覆す 「習慣」の変化が広げるあなたの可能性【松房滉太コーチ インタビュー】

勉強、トレーニング、自己研鑽、美容、趣味…どんなことでも長く続けることや、成果を出し続けることはとても難しいことのように感じませんか。「特別な人だけができることで、平凡な自分には無理だ」と、そんな風に思っている理想像には、案外単純な1つのピースがはまることで近づけるのかもしれません。そんな未来へのプロセスをひとりひとりに合わせて論理的に導き出し手を引いてくれるのが、「習慣化」を得意とする松房滉太コーチです。誰しも一度はぶつかる現実と理想の壁を超える、大きな一歩を踏み出したい方にぜひお届けしたいインタビューとなりました。

1:パーソナルトレーナー兼コーチへの道

現在は『習慣化コーチング』というサービスを提供されている松房コーチ。コーチという仕事を選ばれた経緯を教えてください。

元々はコーチ業ではなく、ジムのパーソナルトレーナーをしていました。
大学では機械工学を専攻していましたが、その道に進むつもりは全くなく、ひたすらアーチェリーに熱中していて、全国大会にも出場しました。
ただ、大きな経験をして感じたことは、自分に特別な才能があったわけではないということでした。自分よりセンスのある人はたくさんいました。
でも、だからこそ、そんな環境で本気でやってみたときにどこまで行けるのだろうという、ある種の好奇心と自分への挑戦のような感情で奮起していました。
その結果、「自分が特別ではなくても、本気で取り組めば結果が出る」ということに気づいたのです。これは自分にとってとても大きな実感となりました。
この経験から、自分以外の人にもやればできるんだという可能性を伝えたいと思うようになりました。

その中で、パーソナルトレーナーという仕事と出会われたのですね。

そうです。トレーニングも好きでしたし、自分の強みが活かせそうだと思いました。
学生時代の自分では、後輩たちに「やればできる」ことを伝えたいと思っても、うまく伝えるのが難しく、もどかしさを感じていました。
その葛藤はトレーナーという仕事を経験することで、少しずつですが乗り越えられることができたように思います。

なるほど。では、パーソナルトレーナーとして経験を積む中で、新たに感じた課題はありましたか。

課題というか、新しい可能性に気付きました。というのも、やっているうちに、クライアントの目標に対して、体だけを見て解決に導くのは限界があるなと感じたのです。
人によっては、仕事が忙しかったり周りの方との関係性を壊したくないあまりに、自分の望まない付き合いに乗ってしまったり、、体を変える習慣を付けづらい方もいます。また、仮に体を変えられたとしても、トレーナーから離れると元に戻ってしまうといったパターンも見てきました。
そんな背景から、「自分一人でもトレーニングできるようになりたい」というニーズが一定数ありました。
そうなってくると、ただ「痩せたい」というニーズに応えるだけではなく、生活や人生全般をサポートし、その人自身を変える必要があるのでは、と考えるようになりました。
その人にとって体を変えることの優先度が高いのであれば、仕事を変えて、生活リズムを変えて、自分のために使える時間を増やして…というようなことも、選択肢として考えられますよね。

ただそれを、いちトレーナーにすぎない自分が伝えて良いものかという葛藤がありました。理想を追い求めるのなら、その方の目線にもっと近づいて生活や人生観を見た上で、体作りよりも広い視野でサポートをしなければならない。
けれど、自分の仕事は体にコミットするトレーナーなので、トレーニングをして終わりになってしまうというジレンマがありました。

そんなことまでアドバイスしてくれるトレーナーがいれば心強いですが、確かにそこまでしていいのか、という立場上の懸念はありますね。

そうなんです。トレーニングで「こうしたらいいよ」「そもそもこのトレーニングはこういう目的でやっていて…」と伝えたいこともありました。もっと言うなら、「その人の理想やライフスタイル、その中にある体、それらの関係がどうなれば理想なのか?」と深堀する必要性も感じました。
経験を積んで見えるものが増えてくると、そんなサポートがしたくなりました。
相手が理想を追い求めるための手段を提供し、目標達成を支えたいという思いはそこから始まり、今でも変わっていません。きっとトレーナーをやり始めたときも根底にそういう感覚はあったのだと思います。
そこから、経験を重ねて根本的に自分がやりたいことが見えてきた、という感じです。自分が一番やりたいことって、人に影響を与えて人を変えるということなんだと。
そう気づいたときに、手段はなんでもいのだと理解できました。手段を問わず、どんな形であれその人がなりたい理想を叶えることや、サポートをしたいと自分の中で意思が明確になり始めました。そのタイミングで、たまたまコーチングというものを知り、踏み込むことになったのです。

2:自分を変え、相手を変えるプロセスとは

人を変えたいという言葉がとても印象的です。「人を変える」とはどういうことか、もう少し教えてください。

決して強制的に変えるという意味ではありません。その人がもどかしさを感じている現状から、理想のイメージを具体化して実現するための手助けをしたいという思いです。
私は、もともと自分に自信があるタイプではありませんでした。どちらかというとネガティブだったぐらいです。
それでも他人に道を決められるのは嫌だという思いはありましたし、自分の可能性を否定する自分自身のことも嫌でした。そんな環境や自分の心に抗いたい一心で高校受験の時は死に物狂いで勉強したり、大学ではアーチェリーに打ち込んだりしたわけです。そうやってとことんやってみたら、全国大会に出れました。自分でも可能性を疑っていた目標が叶ったわけです。

振り返るとシンプルなようでいて、大変な努力だと思います。そのときは誰かのサポートがあったのでしょうか。

当時の自認としては、完全に自分で振り切って、自分で管理して、後悔しないようにやった!という感覚でした。ただ、そういう風に自分が動いたときに、たとえば親や関わった先生たちは特に反対もせず、普通に生活をサポートしてくれていました。学生の自分にとってはわからない、当たり前の環境を作るという周りのサポートは確かにあったと思います。
一方で、その時は、自分の可能性に対する反骨心で奮っていたというのも本当です。自分を卑下したり、たいした人間じゃないと思ったり、自分の中のそういった感覚が本当に嫌で、変えたくて、足掻いていたような感覚です。

そのときのひとりで足掻いていた感覚は、今の誰かが変わるサポートをしたという思いに繋がっていますか。

ええ。誰かがいてくれたらもっと心強かったでしょうし、もっと効率的にやれたのではないかという思いはあります。何かに挑戦するときって、どうしても一人になりがちじゃないですか。
特に新しいことをやるときや、周りがやっていないことをやろうとしたときなんて、もはや周りの空気や反応は「何やってんだ」という感じですらありますよね。それがまた、思いはあるのに実行に移せない状況や、素直になれないもどかしさを生んだりすると思います。
私自身は経験の中で、そういうときもやればできるんだという大きな実感を得ることができました。だからこそ、同じように考えている人がいるなら、私が感じて経験したこの価値を届けたいという思いがあります。
それによって自分の思う理想に素直に向き合うことができて、人生が変わって、少しでも幸せになって。そんなお手伝いができれば、私にとっての本望だなと思います。

ご自身のサポートを通して、どんな変化が作り出せると考えておられますか

パーソナルトレーナー時代に、体が明確に変わったことで自信を持つ方がいました。それがその人にとっての1つの成功体験になって、精神的にも前向きになり、アクティブになる姿を見るのは非常に嬉しい瞬間でした。やっていて良かったなと感じました。
コーチングでもニーズは同じで、「勉強したいけどできない」という悩みも、筋トレと同じなんです。どんな形でも、今できることに対して、やろうと思っていることのハードルの方が高く、なかなか踏み出せなかったり、続かなかったりします。
そうして自己嫌悪に陥ったり、自暴自棄になったりして苦しくなる方が多いんです。でもそれって、その人が悪いわけではないんですよ。

方法や考え方が違うだけ、ということでしょうか。

はい。自分のコントロールの仕方がわからないだけの方も多いです。そこを変えていくことで勉強や習慣化のサポートができ、前向きになったり自己嫌悪を克服したりする人が増えています。それを実感できると非常にやりがいを感じますね。

自分をコントロールする方法について、具体的に教えてください。

まず大切なのは、自分自身を知ることです。自分の特性や行動パターンを理解し、それに合った対策を取ることが鍵になります。
たとえば悪い習慣を改善するには、その原因を知り、どうすれば防げるかを考える必要があります。よくある話ですと、ずっとスマホを触っていてやめられない人は多いのですが、そういう悪習慣は脳科学的に興奮状態になっていたりホルモンがたくさん出ていたり、理性で止められないこともあるのだと知らねばなりません。
知った上でなら、ではどのタイミングで止めれば止められるのか、他に関連要因はないのか、と考えることができます。万人に使える画期的な解決法があるわけではなく、このプロセスを通じて、個人個人のやり方で自分をコントロールできるようになるのです。

松房コーチのインタビューの様子。クライアント様の話をうれしそうにしていました。

3:習慣から作るそれぞれの未来に向けて

松房コーチは今お仕事でエンジニアもされているとうかがいました。コーチングとエンジニアリング、両方のお仕事を通して、ロジカルな松房コーチらしさが発揮されているのではと思いました。

そうですね。もともと理系的な思考が得意でしたし、感情的に動いてもうまくいかない経験もあり、ロジカルに物事を考える癖がついています。おっしゃる通り、エンジニアという仕事もそういう思考の仕方をする部分は多いです。エンジニアで用いる「問題に対する解決の仕方を考える」という視点をビジネス的な課題へと向けてコーチングにも活かし、クライアントの課題を効率的に解決できるよう努めています。
エンジニア的な思考力をつけた上でのコーチング、そしてコーチングを通して自分をブラッシュアップしていく中で、エンジニアとしてのスキルも磨かれているのではと思っています。

ロジカルといっても、淡々としているわけではなく、人の感情や特性や個性を大切にしておられるのだろうなとお話をうかがって感じました。

ありがとうございます。自分でも、良い相乗効果を感じています。コーチングも、自身のトレーニングにおいても、仮説を立ててそれを試し、実証される瞬間というのがとても好きなんです。そのためには相手のことを良く知ることが大切なので、理論で対応するというよりは、その人にフィットする理論を検討して、一緒に試していく、というようなコーチングのスタイルを重視しています。

「習慣化」は、ご自身でも意識して行っておられますか。

はい。食べるものや生活のリズムなど、同じパターンで続けることが多いです。こだわっているというよりも、単純にそうする方が楽で、悩まなくていいと感じています。「習慣化」は自分の生活のいたるところに散りばめられている身近なキーワードですね。
たとえば、仕事を離れたときは基本的にはトレーニングをしています。人を変えたいという思いもありますが、まずは自分の体が変わるとテンションが上がりますからね。変化を実感すると楽しいですし、週に何回でもジムに行きます。忙しいと週2ぐらいになりますが、コンテストなどにも出ていた時はそれこそ毎日通っていました。また何かしら出たいな、という思いはあります。
身体づくりということで、食生活も一貫しています。基本的には鶏肉ばっかり食べていますね。違う物を食べる感覚がもはや分からないと言いますか…仕事の増減による優先順位の変動はありますが、基本的にはジムで体を鍛えて、同じものを食べて、悩まずにその選択を継続しています。

今後の展望や目標について教えてください。

現在提供しているコーチングサービスをより多くの人に届け、再現性の高い形にしていきたいです。また、ビジネス力を高めることで、キャリア形成や理想の実現をサポートできるコーチになりたいとも考えています。そのために今エンジニアとしても精進しているところです。
まずは1:1のコーチングを磨き、確立させていきたいです。
その先に、セミナーやワークショップを通じて習慣化のテクニックをより多くの方へ広めたいとも考えています。そうすることで、自分ができることの幅もどんどん広げていきたいです。

ご自身が成長する過程で感じたこと、考えたことを赤裸々に交えながら、今を確立するまでの道をしっかりと語ってくださった松房コーチ。トレーナー、コーチ、エンジニアと様々に表情を変えながら、目の前にいる人の課題やコンプレックスを取り払う手助けがしたいという温かくも強い意志をひしひしと感じるインタビューとなりました。

現在は体験セッションもお気軽にご相談していただきやすい形式になっていますので、「何か頑張りたい、でも頑張れなくてしんどい」と、立ち止まりそうになってしまうときは、ぜひ松房コーチと共に自分の可能性を見つけに行きましょう。

この記事のコーチ

松房 滉太コーチ

何をやっても続かない、上手くいかない…そんな自分が嫌いだ
続かないのは意志が弱いからでも、根気がないからでもない!
自分を見つめ習慣化するコツを提供します!