相手のひとことに、人生のハンドルを渡していませんか?【松本 美和 コーチ】

あのとき、誰かに言われたひと言に翻弄され、
何年経った今も
苦しんでいる人はいませんか?

「あなたは、何をやっても続かない人だね」
「あなたには、人の気持ちがわからない」
「そんな性格では、どこへ行ってもうまくいかないよ」
「あなたには無理だと思う」

言われたのは、
たった一度だけだったかもしれません。
それなのに、何かに挑戦しようとするたびに、
あのときの、あの人の言葉がよみがえってくる。

「やっぱり、自分には無理なのかもしれない」
「私は、そういう人間なんだ」
「また同じことになるに違いない」

前に進みたいのに、進めない。
アクセルを踏んでいるのに、
何かが自分を止めている。

実は、昔、誰かから言われた言葉が、
いつの間にか
自分自身を説明する言葉になっていることがあります。

そんなとき、
少しだけ立ち止まって
考えてみてほしいのです。
「あのときの、あの言葉は、
本当に事実ですか?」

と。

相手のひとことに、人生のハンドルを渡していませんか?

同じ言葉を、
ほかの人からも言われたことがありますか?
反対のことを
言ってくれた人はいませんでしたか?
これまでの人生の中に、
その言葉には当てはまらない行動や経験は
本当になかったでしょうか。

そして何より、
今のあなたは、
本当にその人が言ったとおりの人なのでしょうか。

人は、目の前の出来事を
ありのままに見ているようでいて、
実際には、自分の経験や価値観、
そのときの感情を通して見ています。
つまり、その人の言葉は、
あなたという人間を正確に表した
客観的な事実ではなく、 その人の立場から見えた
一つの「解釈」だった可能性
があります。

もしかしたら、
自分の思いどおりに動いてほしくて、
強い言葉を使ったのかもしれません。
ある一場面だけを見て、
あなたのすべてを
決めつけたのかもしれません。
言った本人は、
その言葉をもう覚えていないかもしれません。

けれど、言われた側は、
その言葉によって自分を疑い、
何年も行動を止めてしまうことがあります。

たった一人から放たれた言葉で、
あなたががんじがらめになり
動けなくなっているとしたら、
私は、それをとてももったいないと感じます。

もちろん、
その言葉を手放せないあなたが
弱いわけではありません。
深く傷ついたからこそ、
その言葉が今も心に残っているのだと思います。
そして、自分に自信が持てないときほど、
自分の内側から聞こえる声よりも、
相手から言われた言葉のほうを
信じてしまいやすいものです。

「あの人がそう言ったのだから、
きっとそうなのだろう」
「自分のことより、
相手のほうが正しく見えているのだろう」

そうして、
誰かの一時的な評価を
自分の本質として受け取り、
長い間、抱え続けてしまいます。
けれど、
誰かが勝手に決めつけた言葉に、
これからの人生まで
決めさせる必要はありません。

あなたを表す言葉を選ぶ権利は、過去にあなたを評価したその人ではなく、今を生きているあなた自身にあります。

実際のコーチングセッションでも、
長い間信じてきた言葉について
一緒に丁寧に振り返ることがあります。

「その言葉を裏づける事実は何ですか?」
「その人とは違う見方をしてくれた人はいませんでしたか?」
「これまでにできたことも含めて考えると、本当にそうでしょうか?」

一度の対話で、
すべてが変わるわけではありません。
それでも、対話を重ねていくうちに、
「もしかしたら、あの人の言葉が
すべて正しかったわけではないのかもしれない」
「私は、あの人が言ったような人間では
ないのかもしれない」
と、少しずつ気づき始めます。

誰かに貼られたラベルではなく、
これまで自分が歩んできた道や、
すでにできていること、
大切にしている価値観や、
自分では当たり前すぎて
気づいていない強みに、
目を向けられるようになります。

そして少しずつ、
「本来の私は、どんな人なのだろう」
という問いに、
自分自身の言葉で
答えられるようになっていきます。

人生を車にたとえるなら、
気づかないうちに、
自分の車のハンドルを
誰かの言葉に預けたままにしていることがあります。

相手の言葉に右へ左へと動かされ、
本当はどこへ行きたかったのかさえ
わからなくなり、迷走してしまう。
けれど、これは
あなたの人生を走る車です。

ハンドルは、
あなた自身が握ってよいのです。
過去に言われた言葉を、
すぐに忘れようとしなくてもかまいません。
まずは、
「あのとき、私は本当に傷ついたんだ」
と、自分の気持ちに
寄り添ってあげてください。
そのうえで、
相手から言われた言葉と、
本来の自分を、
少しずつ切り分けていけばよいのです。

一人で問い直そうとしても、
いつもの考えに
戻ってしまうことがあります。
そんなときは、
安心して話せる誰かとの対話によって、
自分では見えなくなっていた事実や強みを
一緒に見つけてもらうことも、一つの方法です。

あなたを表す言葉を選ぶ権利は、
過去にあなたを評価したその人ではなく、
今を生きている
あなた自身にあります。
もう一度、自分に問いかけてみてください。
「本当の私は、
あの人が言ったとおりの人だろうか?」
「これから私は、
どこへ向かいたいのだろう?」

誰かに預けたままになっていたハンドルを、
もう一度、自分の手に取り戻す。

そこから、
あなた自身が望む人生が
ゆっくりと動き始めるのだと思います。


この記事を書いたのは

松本 美和 コーチ

ストレングスファインダーで自己理解を深め 自分らしく生きる

《周りと比較しては自信を無くす》 そんな無意識の思考の癖に早く気づいて、
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