社内営業してますか?

 

「阿部さん、社内営業もちゃんとやってる?」

昔、毎週一緒にお仕事させて頂き、私の人生観の一部を作ってくださった

営業コンサルタントから言われた言葉です。

以前2年間ほど人材派遣の営業職をしていたときのことです。

十数年やっていた機械設計の講師職から抜け出して、

やりたかった営業職につけて、大変なことや辛かったこともありましたが、

数字を追っていくのが新鮮で楽しく充実した毎日を過ごしていました。

 

人材営業という仕事は、企業から人材募集の仕事を貰っても、

まだ社内の数字にはなりません。

その仕事につきたい人材を探し、マッチングさせなければ1円にもならないのです。

とは言っても、その時は買い手市場。

「どーにかなるさ」「探せば誰かいるでしょ」くらいにしか考えていませんでした。

人材営業というのは、営業職の中でもワースト3に入るほど厳しい世界。

企業から仕事を貰ってくるのは至難の業でした。

でも、諦めず試行錯誤しながらコツコツ続ければどうにかなるものでもあり、

企業からお仕事を頂くと涙が出るほど嬉しかったのを思い出します。

企業から人材募集のお仕事を貰ってきたときのことです。

「こんな案件、誰も仕事したい人は来ないよ」と

一人の社内のコーディネーターから言われました。

彼女は働きたい人を見つける側の担当です。

厳しい状況の中、やっと見つけてきた案件が葬られそうになりました。

そんなことが数件続き、売上が達成できない状況を変えなければと思いました。

 

そこで私は、それまで社内では取り組んでいなかった

メールマガジンや登録者への電話連絡、同業種の派遣会社との登録者提携など

働き手を確保する手立てはないかとあれこれ考えましたが、

社内会議でことごとく却下されました。

「効果がない」「やっても時間の無駄」「大変」これらが理由です。

特に一人の女性コーディネーターが反対してきました。

 

しかし、何が何でも自分と部署の売上目標を達成したい私は、

「だったら誰にも迷惑かけずに一人でやる」と顧客データを整理しました。

味方はいなかったけれど、社長だけは説得できたので

まずは小さくメルマガから始めてみようと、意気揚々とデータを作り始めました。

翌日、その女性コーディネーターはサーバーに置いてあった

私の仕事のデータ全てを削除しました。

もちろん、その中にやっと揃えた顧客データもメルマガ文章も入っていました。

新しい事をしたくない全力の抵抗でした。

その事態を知った私は、彼女を責めましたがそれは予測できたことでした。

 

「阿部さん、社内営業もちゃんとやってる?」

営業コンサルタントの言葉が頭の中で響きます。

大変なことをしてまで今を変えたくない、変わりたくない、

新しいことをしたくないと思っている社員もこの世に存在するのです。

現状を変えられようとすると、彼らは全力で抵抗します。

 

彼女はシングルマザーで子供が2人いました。

どうしても6時には帰りたいのです。

また帰れたとしても、自分の仕事を他人に任せたまま帰るのでは

自分の責任を果たしているとは言えないので

自分が納得していない大変なその仕事そのものを、新たに発生させたくないのです。

 

彼らは彼らの事情の中で生きています。

良い悪いだけでは片づけられない問題もあるということを知りました。

会社がOKであれば、その存在も居続けることもアリですし。

(事実、その行動はいかがなものかと思いますが、

他の部分で彼女は仕事が出来たこともあってか、お咎め無しでした。)

 

会社からお給料を貰っているんだから協力するはず。

会社に利益を十分返せている人間じゃないのに文句は言えないはず。

大人なんだから馬鹿な事しないだろう。

こんな正論は通用しません。

 

 

営業は、お客様だけがハードルなのではありません。

実は社内調整が一番コミュニケーションが必要な場面だったりするのです。

 

もし自分の担当業務しか目に入っていなかったら、それは危険です。

社外のお客様はもちろんのこと、社内の営業もしましょう。

彼らは味方につけると頼もしい存在にもなるし、

敵に回すとクライアントよりも怖い存在にもなりえます。

自分の仕事をうまく回したいのであれば、

彼らがどうすれば気持ちよく仕事してくれるのかを考えるのも重要な仕事です。

実はそこが仕事を円滑に進めるにおいて一番大切なことなのです。

自分がしたい業務ができるように、周囲とコミュニケーションとっていますか?

ちゃんと社内営業やっていますか?

 

 

 

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